• おうちでカクテル作ってみませんか…宅飲みが外飲みばりに充実するカクテルレシピの紹介とカクテルの基礎知識

    カクテルの作り方

    (3)カクテルのスタイル

    ロングドリンクのスタイルについて

    ●カクテルのスタイル
    カクテルは、ショート・ドリンクとロング・ドリンクに分けられる。
    ショート・ドリンクは、短時間で飲むカクテルで一般的には10~20分で飲むのがよいとされている。それは、グラスに氷が入っていないので、時間が経つとぬるくなってしまい、風味も損なわれるため。アルコール度数は30度前後のものが多い。

    ロング・ドリンクは、時間をかけて飲むように作られている。
    ソーダ,ジュース等で割り、タンブラーやゴブレットなど、容量の大きいグラスに氷を入れて出されるコールド・ドリンクがほとんどだが、 熱湯やホットミルクを加えたホット・ドリンクもある。時間をかけてといっても一般に30分くらいで飲むのがよい。

    ロング・ドリンクは、ショート・ドリンクに比べアルコール度数は低いものが多い。また、ロング・ドリンクには様々なスタイルがある。

    ロングドリンクのスタイル

    バック
    Buck
    コリンズ
    Collins
    スピリッツにレモンジュースとジンジャーエールを加えたもの。
    「バック」とは雄鹿のことで、雄鹿のようにキックのある(口当たりが良い割にアルコール分の強い)カクテルという意味。
    スピリッツにレモンジュースと砂糖もしくはシュガーシロップを加え、ソーダを満たしたもの。
    ジョン・コリンズ、トム・コリンズ等が有名。
    クーラー
    Cooler
    フリップ
    Flip
    スピリッツにレモンやライム等のジュースと甘みを加え、ソーダやジンジャーエールを満たしたもの。
    「クーラー」とは、冷たく爽やかな飲み物の意味で、細かいレシピにこだわらなくてもよい。
    ワインやスピリッツに、卵と砂糖を加えたもの。好みで最後にナツメグを振りかける。
    ホットとコールドがある。
    エッグ・ノッグ
    Egg Nogg
    フィズ
    Fizz
    卵、牛乳、砂糖、酒類をつかうもの。
    ホットとコールドスタイルがある。
    アメリカ南部生まれのクリスマス・ドリンクだが、現在では四季を通じて世界中で飲まれている。
    スピリッツにレモンジュース、砂糖、ソーダを加えたもの。
    日本ではリキュールをベースにしたフィズに人気がある。「フィズ」は、ソーダが注がれたときに発する、シュッという擬音語。
    フロート
    Float
    フラッペ
    Frappe’
    「フロート」は浮かべるという意味。
    比重の違いを利用して、酒の上に別の酒や生クリームを混ざらないように浮かべること。何種類もの酒をフロートすると「プース・カフェ」になるが、普通は2種類、または仕上げにカクテルの上に浮かせる。
    材料とクラッシュド・アイスをシェイクし、一緒にグラスに注ぐスタイルと、クラッシュド・アイスを盛ったグラスにリキュール等を注ぐスタイルがある。
    「フラッペ」とはフランス語で、「氷で冷やされた」という意味。
    フローズン・スタイル
    Frozen Style
    ジュレップ
    Julep
    材料をクラッシュド・アイスと一緒にバー・ブレンダー(ミキサー)でシャーベット状にしたもの。スピリッツにミントの葉を混ぜいれたもの。
    グラスにはクラッシュド・アイスを入れておく。アメリカ南部に古くからあるスタイルで、昔はワインベースが主だったが、現在ではバーボンベースが主流。
    ハーフ・アンド・ハーフ
    Half and Half
    ハイボール
    Highball
    2種類の材料を半分ずつ混ぜたもの。
    濃色ビールと淡色ビールのミックス、ドライ・ベルモットとスイート・ベルモットのミックスが一般的。
    酒を炭酸飲料で割ってつくる、もっともポピュラーなスタイル。ベースの酒には様々な酒が使われる。
    オン・ザ・ロックス
    On the Rocks
    プース・カフェ
    Pousse-Cafe
    大きめの氷を入れたロックグラスに材料を注ぐスタイル。「岩の上に」という意味で、大きな氷を岩に見立てた名前である。
    ウイスキーで作ることが多いが、最近ではマティーニ、マンハッタンといったショートドリンクをこのスタイルでつくるのも人気である。
    何種類かの酒をアルコール分、エキス分による比重の大きいものから、混ざらないように順に積み重ねていくスタイル。酒の比重は同じ酒でもメーカーによって微妙に違う。
    一般に、アルコール度数が高いほど比重は軽い。
    リッキー
    Rickey
    スリング
    Sling
    スピリッツにライムまたはレモンを絞り、ソーダを満たすのが基本のスタイル。絞った実はグラスに入れ、マドラーでつぶしながら自分で酸味を調整して飲む。スピリッツに甘味を加え、水、ソーダ、ジンジャーエール等で満たすスタイル。ホットもある。
    「スリング」はドイツ語のSchlingen(飲み込む)が変化した言葉といわれている。
    パンチ
    Punch
    サワー
    Sour
    ワイン、スピリッツ等をベースにして、各種リキュール、ジュース、果物等を加えて作るスタイル。パーティー・ドリンクとして、パンチ・ボウルに数人分まとめて作ることが多い。
    コールドがほとんどだが、ホットもある。「パンチ」は「5つ」という意味のサンスクリット語、Pancha(パンチァ)や、ヒンズー語のPunch(ポンシェ)に由来すると言われている。
    スピリッツに酸味と甘味を加えるスタイル。アメリカではソーダを使わないのが原則だが、他の国ではソーダやシャンパンを使うこともある。
    「サワー」は酸っぱいという意味。