●薬草・香草系リキュール●
ハーブやスパイスなどを中心とする薬草や香草は、リキュールにとって最も重要な原料で、これがなければリキュールは存在できないと言っても過言ではない。 中世では薬として飲まれていたリキュールは、ほとんどこの系統に属しており、最も歴史あるものといえる。
● ハーブ(薬草・香草)のリキュール
豊富な薬効とスパイシーな香草風味。錬金術から生まれたリキュールの原型。
中世ヨーロッパで錬金術技術の副産物として生まれた蒸留酒。それを蒸留する際に、 薬草や香草類を添加して薬として飲まれていたのがリキュールの始まりだと言われている。
シャルトリューズ アルコール度43度/エキス分33% 薬酒としてのリキュールにおいて最高峰と称えられる。 アンゼリカ、クローブ、コリアンダーをはじめ130種類もの薬草類が原料となっている。フランスのシャルトリューズ修道院で作られ、現在は民間会社に製造は委託されているが、その配合はいまだ修道士によって行われ、門外不出だという。 ヴェールはフランス語で緑。ミントの風味が爽やか。 ジョーヌは黄色で、はちみつの香味に特徴があり、ヴェールより繊細でソフトな口当たり。リキュールの女王と呼ばれる。 |
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ペルノ アルコール度40度 アニス、スターアニス、コリアンダーなど15種類のハーブから作られるフランス産アニスリキュール。20世紀初頭に発売禁止になったアブサンに似せて作られたアニス風味のリキュールは、フランス語で”似せたもの”を意味する「パスティス」と総称される。 水で5倍に薄めて飲むのが一般的だが、カクテルに加えるとスパイシーな味わいがアクセントになる。 |
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サンブーカ アルコール度40度/エキス分36% イタリア、フィレンツェ南部のサンブーカ村特産の、エルダーの花を主原料にしたリキュール。スパイスやオレンジの花を配合し、アニスのような香りが特徴。 パスティスよりソフトな味わい。 |
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カンパリ アルコール度25度/エキス分19% 程よい苦味と爽やかな甘さが特徴。ビターオレンジの果皮を主原料に、キャラウェイ、コリアンダーなど30種類以上のハーブを用いている。無色透明のコーディアル・カンパリは、フランボワーズを主原料にしている。 |
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アペロール アルコール度11度/エキス分25.8% 1919年に誕生し、イタリアを中心にヨーロッパで人気を集めているハーブリキュール。ビターオレンジやスイートオレンジ、ハーブを使用し軽やかな甘さとさっぱりとした後味が特長。 “アペロール”というネーミングは、イタリア語で食前酒を意味する「アペリティフ」に由来する。日本では2010年10月にサントリーより発売された、新しいリキュール。 |
ベネディクティンDOM アルコール度40度/エキス分35% 中世フランスのベネディクト派が造ったリキュールとして、その歴史は最古といわれる。フランス革命で一時途絶えたが、1863年にレシピが発見され、復元された。 27種のハーブが複雑な味わいを作り出し、重みのある甘さが特徴。 D.O.M.は至高至善なる神へ捧ぐという意味の、Deo Optimo Maximoの略で、修道院の祈りの言葉から来ている。 |
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イエーガーマイスター アルコール度35度/エキス分15.7% ドイツ語で「ハンターの守護聖人」という意味。 苦みと甘みが絶妙。56種類のハーブにフルーツ、草根木皮をブレンドした豊かなハーブの香りが特徴。 |
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ガリアーノ アルコール度42度/エキス分33% 19世紀末、イタリア・エチオピア戦争でエンダ・ジーザス要塞を勇敢に死守、指揮したイタリア陸軍少佐ガリアーノ。その勇将の名がついたリキュール。 バニラの甘い芳香をベースに、ミント、アニスなど40種のハーブのブレンドが絶妙。ボトルはローマ寺院のコリント式の円柱をヒントにしている。 |
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ストレガ アルコール度40度/エキス分18.9% サフランの黄色、バニラの甘み、柑橘系の爽やかさにアニスの個性が溶け込む。「太陽の光線」の形容に似つかわしくないその意味は「魔女」。口当たりのよさに隠れたアルコール度の高さからきたものか。 |
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ドランブイ アルコール度40度/エキス分35% ゲール語で「満足できる飲み物」という意味。英国を代表する王家秘伝の酒。 40種類以上のスコッチ・ウイスキーをブレンドし、ヒースの花から集めた蜂蜜、ハーブを配合している。 |
アイリッシュミスト アルコール度35度/エキス分21% アイリッシュ・ウイスキーに蜂蜜、オレンジ果皮、10数種類のハーブエキスをブレンド。 ドランブイのライバル的存在。 |
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サザンカンフォート アルコール度21度/エキス分12% 糖蜜を蒸留した中性スピリッツに、桃を中心としたフルーツフレーバーを配合。 もとはバーボンに果実風味と甘みを加えたものだった。甘さは控えめ。 |
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パルフェタムール アルコール度24度/エキス分28.7% 17世紀に”媚薬”の酒として生まれたリキュール。飲む香水ともいわれる。 ニオイスミレの香りを溶け込ませ、柑橘系の果皮やハーブを配合。紫、赤、黄などの色彩があったが、19世紀にクレーム・ド・バイオレットとして紫だけになった。 |
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ペパーミントジェット アルコール度21度 爽やかな清涼感と甘みが特徴。ミントには消化促進の効能がある。 7種類のミントが使われた世界No.1のミントリキュール。 緑、透明が一般的だが、青いものもある。 |